ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…ガシャン!!!
ん?今、何か変な音した…?





Get up!!!





「ふぁ~あぁあ~…。よく寝たぁ~っ。…今何時…?」



背伸びをして、あくびをしながら起床。

まだ半開きの目をこすりながら、目覚まし時計の方へと視線を向ける。

しかし…



「あれ…?わたしの目覚まし時計…って…。
ああああああああああっ!!!!!!!」



本来の場所には目覚まし時計の姿はなく

少し目線を下した所に、悲惨な姿になった愛用の目覚まし時計があった。

すでに針も動いておらず、直しようが無い…。

あ~あ…これ結構気にいってたのになぁ~…。



「しょうがない…諦めて朝ご飯にしよう」



原因は分からないけど、とりあえずこの問題は放置。

先に朝ご飯を食べる事にした。



「あっ、亜美!今起きたの!?」

「そーだけど…。早く朝ご飯…」

「そんな時間無いわよ。時計見なさい」

「えっ!?」



母に言われて、時計を見る。

短い針が7と8の間。長い針が11と12の間だから…。



「し、7時57分!?」

「そうよ。遅刻確定だけど早く行きなさい」

「ぎゃあぁぁぁぁあ!!!!!」



どうして、my motherは起こしてくれなかったんだい!?

く、くそぅ…!今度、へそくりの場所変えてやるんだからっ!!!



約5分程度で支度をすませ、

わたしは全速力で学校へと向かった。





















































「はい~双葉遅刻~。気を付けろよ、今月3回目の遅刻魔さん」

「は、はぁ~い……」



息をきらしながら、クスクスと笑い声の聞こえる教室へと入る。

うぅ…そんなに笑わなくても…。



「よ、双葉。今の所、学年でトップらしいぜぃ」

「う、うるさい!遅刻数でトップになれても嬉しくない!」



席につくと、声をかけられる。

隣りの席の丸井 ブン太だ。そして、わたしの好きな人…。

丸井は友達の中でも、結構話す方で…。仲も良い方だと思う。

まぁ…大半からかわれてるけど…。



「だいだい…何でわたしがトップなのよ!
 明らかに仁王とか赤也の方が、多そうじゃない!!!」

「仁王は朝、来るだけ来といて授業に出ない奴だから一応遅刻じゃない。
 赤也は幸村の影響もあって、朝練にも最近は遅刻無し。
 つまり、お前がトップだぜぃ」

「ちくしょ~!!!」



わたしは女テニのレギュラーだから、男テニの人達とも仲の良い方だ。

しかし…仁王の方がタチ悪くないか?



「コラ~そこの二人。バケツ持って、廊下に立たされたいかぁ~?」

「「いえっ!!!」」



何気にハモってしまったわたし達は

結局この後、違う先生に

バケツを持って廊下に立たされた…。













































「丸井~。何か、可愛い子が呼んでるぜ~」

「「えっ」」



昼休み。わたしと丸井はたわいも無い話をしていた。

そしてクラスの男子からそう告げられ

呼ばれてもいないわたしも、つい驚いてしまった。

ドアからひょこっと顔を出している女の子は

確かに可愛かった…。

少なくともわたしよりは……。



「ほぉ~…。モテモテだねぇ、青少年」

「あ、あのなぁ…。…ま、呼び出しくらった訳だし…またな双葉」

「うん」



ヒラヒラと手を振り、女の子とどこかへ行ってしまった丸井。

嫌味をふくんだ笑いを作ってみたけれど、やはり内心は穏やかじゃない。

丸井が見えなくなった後、わたしは机に突っ伏して

「もしかしたら…」と考えていた。




















































昼休みが終わる頃、丸井が教室に戻ってきた。

でも、どこか落ちつきが無かった…。



「お帰り。どう?やっぱ告白だった?」



分かりきってて聞いてみる。

丸井は溜め息をついて、首を縦にふった。



「で、返事は?やっぱ、OK?可愛い子だったし」



これが一番聞きたかった。

でも、丸井はわたしの方をチラッと見ると

顔をそむけて、返事をしてくれなかった。



その態度に、少しムッとしたわたしは

さらに嫌味っぽく言ってみる。



「ま、今OKしなくても大丈夫だもんねぇ~。
丸井君はモテるから、彼女なんて作ろうと思えばすぐに、作れるし」



そう言って、丸井の様子を伺ったけれど

やはりわたしに顔をそむけたまま、表情一つ変えなかった。

なんだか…いつもの丸井じゃない…。



「(わたし、何かした~!?)」



いつもなら、何か言い返してきてもいいはずなのに…。

ちょっと内心焦りながらも、先生が来たので

わたしもそれから、丸井に話しかけなかった…。































































双葉~。明日遅刻したら、一週間掃除当番の刑だからな」

「げぇっ!先生~、そりゃないよぉ~」(泣



放課後になり、部活へ行こうとしたら

先生からそう、告げられた。

一度、この刑を実行された事があるけれど…

あれは辛かった…。想像以上に辛かった…。

もう二度とやりたくない!



「なら、遅刻しない事だ。誰かに起こしてもらうとか…」

「先生~。うちの家族はそんなに優しくありませぇ~ん」

「そうか。なら、仕方ないな。自力で起きろ」



冷たく言い放った先生は、会議があるとかで去って行った…。

ああ…ホント…誰か起こしてくんないかなぁ~…。










































「今日は疲れたぁ~」



パジャマに着替えて、ぼふっとベットにダイブする。

部活とか塾とか…いろいろあって疲れたけど

一番気になるのは、丸井のこと。

あの後、部活中に何度かあったけど

一向に口を聞いてくれなかった…。

もしかして…本当にOKしたのかな…。



「あー、もう!何で、何も言わないのよぉ~!!!」



少し枕にやつあたりをしてみる。

でも、不安は募るばかりで…。虚しくなってくる…。



「早く寝よ…」



明日遅刻したら、掃除当番の刑…。

それだけは避けたかった…。

だって、丸井と部活で話す時間が無くなってしまうから…。



明日は早く起きれますように…。



















































「………!……!」



大好きな…大好きな人の声がした。

少し低めで…それでいて落ちつく

大好きな声…。

夢にまで出てくる…

相当なものだ…。

ああ…夢じゃなかったらいいのに…。





双葉~。起きろぃ。朝だぜぃ」

「う、う~ん?まだ…あと5分…」



まだ、まだこの夢を見ていたい。

だから、まだ起きたくない。



「5分も待たねぇ…。早く起きろ」

「んじゃあ…あと3分…」



少しでも長く…この大好きな声を聞いていたい…。



「っ…3分も持たない…。今すぐ、起きろ」

「ん~…。あと10秒ぅ~…」



たった10秒でも良い。

夢から覚めたくない…。



ん?今、「またない」じゃなくて、「もたない」って…。



「っ~ああ!もう無理っ!!!」

「はぇ?んんっ!?////」



いきなり、息苦しくなる。

口が塞がれて、酸欠に陥ったみたいに…。

苦しい…。でも、どこか幸せだった…。

夢なのに…。覚めなければ、良いのに…。



「~~~~~っ、はっ…!」



口が解放されて、空気を思いっきり吸い込む。

そのせいか、目が覚めたような感じがした。

ああ…とうとう覚めちゃったか…。



「…もういい加減起きただろぃ?」

「うぅ…起きたよ…。ああ…折角良い夢見てたのに…って
ぎゃあっ!!!」



視界がやっとはっきりして来た時、

わたしの目の前には、わたしの大好きな丸井 ブン太が居た。

ってか、すごく近いっ…!////



「な、なんで丸井が…!まだ夢なの!?」

「夢なんかじゃないぜぃ。あと、不法侵入じゃないからな。
ちゃんと、お前の母さんの許可もらってるから」

「か、母さんの!?」



あの親は…。一体何を考えているのだろう…。

年頃の娘の部屋に男の子を勝手に入れるなんて…!

しかも、いきなり…。大好きな奴を…!



「ってか、なんで丸井がわたしの家に来てるのよ!」

「お前、今日遅刻したらヤバイだろぃ。俺ん家近くだし、起こしに来てやったんだよ」



確かに、丸井の家は近くだけど…。

でも、丸井がどうしてわたしなんか、起こしにきたんだろ?



「なんで、起こしにきたのよ?」

「だってお前、今日遅刻したら一週間掃除当番だろ?
それだと…部活で話す機会が減っちまうだろぃ」



結構恥ずかしい事をさらりと言う、丸井。

嬉しい。すごく嬉しい。だけど…



「わ、分かったからとりあえず、退いてくれないかな…?////」



今、彼はわたしに覆い被さっているような状態。

他人から見れば、すごく怪しい状態ですよ…。

なにより、心臓が破裂しそう…。



「まだ大丈夫だろぃ。まだ6時30頃だし」

「早っ!って、そういう問題じゃなくて!!!」



どうしてそんなに早く、丸井がこの部屋に居るのか、というのも気になるけど

マジで退いて欲しい…心臓がヤバいのよっ!!!



「ま、いいだろぃ。それより…どんな夢みてたんだ?」

「ど、どんなって…」



丸井の声がして、丸井が近くに居るような気がして…。

すごく幸せな夢で…。それでいて、苦しくなった時もあって…。



「し、幸せな夢だったけど…なんか途中で息苦しかった…かな?」

「それって…こんな感じ?」

「んっ////」



わたしの口が丸井の口によって、塞がれる。

夢みたいに苦しくなってきて、それでもどこか幸せで…。

まさしく夢の通りだった…。

そして、ゆっくりと唇が離れていく…。



「ま、丸井っ!!!////」

「お前がいつまでも寝てんのが悪いんだぜぃ?待てないって言っただろぃ?」

「だ、だからって!!!」

「何?もう一回やって欲しいの?」

「ばっ!!!////」



一体、何がどうなっているのか

自分でもよく分からなかった。

でも、兎に角幸せだった…。

しかし…聞きたい事はたくさんある…。



「ねぇ、丸井はわたしに口聞いてくれなかったんじゃなかったの?」

「あーあれは、お前がいつまで経っても、俺の気持ちに気付いてくれなかったから…。
ちょっとした仕返し?ってか、意地悪?みたいな」

「みたいな、じゃないわよっ!嫌われたかと、思ったじゃない!!!」

「嫌いな訳ないだろぃ?俺はお前の事、大好きなんだからな」

「なっ!////」



この体制で、しかも至近距離で…。

多分、ていうか絶対、今のわたしの顔は真っ赤だと思う…。

ああ…今言わないといけないかな…。



「わ、わたしも…好き…です……」

「大好き、じゃなくて?」

「っ…!だ、大好きです!!!////」



ああ…もう、どうでもいいや。

今、すっごく幸せだから…。



「いや、まだ聞きたい事があった…」

「は?なんだよ…」

「あの女の子からの告白…どうなったの?」

「あーあれ?あれは、もちろん断った。双葉…いや
亜美の事好きだったし?」

「あ、あっそ…////」



次々と幸せが溢れてきて

昨日の不安が嘘のようだった…。

って…そういえば、学校!!!



「い、今何時!?」

「あー…7時30分くらい?まだ、大丈夫だろぃ」

「大丈夫じゃない!あんたは支度済ませてるから、良いけど
わたしはまだ、パジャマのままなんだからね!!!」

「そう、そのパジャマ。ったく…好きな奴がパジャマ姿で寝てて…
我慢できるはずないよな?だから、さっきの事は許してくれぃ☆」

「っ~////早く、どけぇーーーーー!!!!!」



結局、母さんからからかわれたり、

ブン太がなかなか退いてくれなかったせいもあって

学校に遅刻した…。

そして、予告通りの一週間掃除当番の刑。

でも、ブン太も一緒にやってくれたから、苦にはならなかった。

彼と一緒に居られるなら、遅刻も悪くないかな…。

でも、今度は…





わたしがブン太を起こしてやるんだから!





おわり





あとがき


えー…久々なせいもあってか、意味不明度が増しております…。

しかも、無駄に長い…。そして、初めてタイトルが英語になった作品。

正直、合ってるのか不安…。(ぇ

こんな駄文をここまで読んで下さり、ありがとうございました!!!