「日吉!勝負しろ!」
「…………はぁ……」
異常な根性
放課後のテニスコート周辺。
遠くから俺に挑戦的な言葉を投げかけてくる奴が居る。
名前は、 。俺と同じクラスで、柔道部の期待の星だ。
なんでも、父親が武術をやっているらしく、小さい頃から指導されていたらしい。
「…また、あいつか…。てめぇも隅に置けねぇな、日吉」
「(跡部さんか…)冷やかさないで下さい。だいたい、俺はあいつが苦手です」
そう、あいつは苦手だ。あいつと居ると、なんだか調子が狂う。
授業中はすごく静かなのに、部活になるとあれだ。
そのギャップに、どうもついていけない。
「とにかく、いつもどうり静かにさせろ。あのまま騒がれると、面倒だ」
「……はい」
実際、こんなことは結構ある。まぁ、そのたびにあいつの挑戦を受けるはめになるのだが…。
「来たな!日吉 若!勝負だ!」
「悪いが、部活が終わってからにしてくれ。お前も部活があるだろ…」
「別にいいが…………逃げるなよ…?」
「俺が、お前の挑戦から逃げたことがあったか?」
「…………無い…」
「なら、とっとと部活に戻れ。終わったら、武道場に行ってやる…」
「…………わかった…」
不満気な顔をしながら、は武道場に戻って行った。
まったく…毎回、毎回懲りない奴だ……。
「あれ?また来たの?さん」
「……………鳳…」
今のやり取りを見ていたのか、鳳が声をかけてきた。
「これで、何回目だっけ?」
「…………30回ぐらいじゃないか…?」
いや、へたをしたらそれ以上…。
それぐらいは俺に勝負を挑んできた。
だが、なぜか嫌にならない自分がいる。
不思議なものだ………。
「日吉!話終わったんなら、一緒に打たない?」
「………あぁ…」
少しは上手くなっただろうか…。
* * * * * * * * * * * *
6時30分。
やっと部活が終わる。
約束を果たしに、武道場へ向かう。
辺りは薄暗く、誰もいなくなった。
「(………変だな……)」
武道場の前まで来た時だった。
いつもなら、勝負に備えてぎりぎりまで練習している音が聞こえるのに
今日は物音一つ聞こえなかった。
「(もしかして、帰ったのか…?)」
不思議に思い、中へ入ってみた。
すると、椅子に横たわり寝ているがいた。
「……………………」
見たところ、すごく気持ち良さそうに寝ている。
だが、このまま放っておくわけにもいかず、起こすことにした。
「おい、。起きろ」
「………………日吉……」
「!!!???」
寝ているに、いきなり自分の名前を呼ばれたので、
内心すごく驚いた。
「…………………」
「…なんだ、寝言か……」
口ではそう言いながらも、少し残念がっている自分。
なんなんだ?この気持ちは………。
「ったく…。おい、!いい加減n「好きだ……」」
「!!!!!?????」
は?こいつ…、今何て………。
「…す……きだ……ひ…よ……し…」
「〜〜〜〜〜〜〜〜////」
落ちつけ!これは寝言なんだ!ったく
なんだってんだよ!急に!
「!起きろ!////」
「…ん…………」
ようやく起きたは目をこすりながら、まだ半分しか開いていない目で
こっちを見上げてきた。
「起きたか?」
「ん〜………。うぇっ!日吉!どうして?」
「お前が来いと言ったんだろう…」
「あ〜……そう言えば、そんな気が……」
「ったく……。自分で言ったんなら覚えとけ」
「う、うるさい!…それよりお前……」
「なんだよ」
「顔………赤くない?」
「なっ!!!!!」
言われた瞬間、さっきのことを思い出し、から目をそむけた。
「……日吉…?」
「なっ、なんでもない!////」
「でも、やっぱり顔が……「勝負」」
「?!」
「するんだろ!早く用意しろ!////」
「わ、わかった……」
言われた通りは位置につき、俺も位置についた。
「…言っておくが…、手加減はしない」
「とーぜん!
行くぞ!!!」
先に動いたのは、だった。
初めに腹部目掛けて、蹴りをいれてきた。
それを俺は、あっさりかわす。
「チッ!!!」
「…甘いな……」
お返しに、俺は足場を崩そうと姿勢を低くし、足をはらった。
すると、見事にのバランスが崩れた。
その時だった。
「うわっ!!!」
「っ………!!!」
バランスの崩れたは、低姿勢のままの俺目掛けて、倒れて来た。
俺もいきなりの出来事に反応できず、下敷きになった。
「いってぇ〜…。あっ!日吉!大丈夫か!」
俺が下敷きになっていることに気付いたは、
すぐに姿勢を起こした。
「っつ………」
「す、すまん!まさか、倒れるとは思わなくて……!」
慌てて謝る。
バランスを崩した原因は、俺なのに………。
「これくらい、なんともない………」
「そ、そうか……。よかったぁ〜…」
ここまで他人の心配をするは、俺にとって初めてだった。
その時俺は、無意識にの腕を掴んでいた。
「!?ひ、日吉!?////」
さっきの寝言が頭から離れない。
「聞かせてくれ………」
「な、何を…!?」
「さっきのは…
本当なのか?嘘なのか?」
「!?さ、さっきの……?」
「お前は寝言で……、俺のことが好きだと言っていた……」
「えっ!!!!!////」
「教えろ」
俺が少し睨むと、は手を振り払って逃げようとした。
逃げようとするの、腕を掴む力を強める。
「っつ!!」
「無駄だ。とっとと言え」
なかなか言わないにいらだった俺は、力を強め
思いっきり睨んでやった。
「は、放せ!」
「…なぜ逃げる……」
「う、うるさ「こんな時だけ、逃げるのか?」」
「!!!!????」
そう、こいつは肝心な時に逃げる。
「俺はお前の挑戦から逃げたことなど無いのに、
お前は俺から逃げるのか?」
「!そんなこと……!」
相当怒っている。だが、これでいい。
「じゃあ、言ってm「本当だ!!!」」
フッ…。思った通りだ………。
「ああ、好きだよ!!!好きで悪いかよ!!!////」(ヤケ
開き直りやがった…。
「別に悪いとは、言って無いだろう」
「う、うるさい!人、追い詰めるようなことしやがって……!////」
「乗ってきたのは、お前だ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!////」(怒
…もうそろそろ、キレるか…?
「テメッ…!!もう、怒っt「好きだ」」
「!!!???////」
相当、驚いている。何のことか、わかっていないらしい。
「返事。今の、告白じゃなかったのか?」
「////半、強制的だろうが!!!」
……そうだったか……?(オイ
「ああ、もう!!!今日は、やめだ!やめ!!
帰って寝る!!!」
「……試合放棄か?」
「それでいいから、帰らせてくれ!!!////」
「ああ……」
その日、俺とは一緒に帰った。
は拒否していたが…。
「………ずるい…」
「?何が?」
「…お前、わたしの性格を利用しただろう…」(←落ちついた)
「ま、自覚してれば、次は引っかからないだろ」
「う〜〜〜〜〜////」
今回ばかりは感謝しないとな…。
負けず嫌いなお前の
異常な根性
にな……。
あとがき
初日吉ドリ!ハッキリ言って、
死にました。(オイ
すいません……。進歩します……。
この後、二人がどうなったかは、ご想像にお任せします…。
最後の方は、なんだか日吉が意地悪っぽい……。まぁ、ボクはそっちの方が
可愛(強制終了)
(とにかく)最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!