「んーw苺牛乳サイコー!」



「羨ましいよ。幸せそうで」










購買バトル










立海大附属中のお昼のチャイムが鳴る時



ここの学校の購買は戦場と化す。



そして、その中で男子に混ざりながら



必死にメロンパンと苺牛乳を買おうとしている立海の名物少女、 



彼女は男子を押しのけ、すでに前の方へと出てきていた。






「お、おばちゃん!メロンパ…って、痛ぇなテメェ!肘は反則だぞォ!!!



「うるせぇ!お前が先に、足払いかけてきたんじゃねぇか!」



「あれは不慮の事故です。偶然わたしの足が、貴様の足を引っ掛けたくなっただけなのです」



結局、わざとじゃねぇかよっ!!!



「やかましい!細かい事気にしてると、ハゲるぞ!?」



「コラ、!買うなら早く買えよ!」



「少しは我慢しなさい!全く…近頃の若いもんは…!」



「「「「「順番守らねぇ、お前に言われたくねぇよっ!!!」」」」」



ちゃん、ほら、いつものやつだよ…」



「ありがとう、おばちゃん!じゃあね!!!」






そして彼女は、またもや男子達を押しのけ



悠々と戦場から抜け出していった…。
































* * *



「んーw苺牛乳サイコー!」



「羨ましいよ。幸せそうで」






わたしは今日も、見事にメロンパンと苺牛乳をゲットし



友達と一緒に教室へ戻っていた。






「しかし…毎度毎度、よくやるわよね。順番待てば良いじゃない」



「甘い!甘過ぎるよ、その考え方!まるで角砂糖だ!!!



「じゃあ、アンタの脳みそはアイスのように溶けてるんじゃない?



わたしの脳みそはキャラメルです。いいかい?メロンパンの人気は、



 ここ最近急に上がり始め、いまや以前の2.5倍(当社比)!!!



つまり!早く行って、あのように確保しないと買えないのであーる!!!」



「(キャラメル…?)よく分からないけど…とりあえず



歩きながら苺牛乳飲むの止めなさいよね。行儀悪いわよ?」



「いやね。苺牛乳がね。『早く飲んで!』って訴えてくるの」



「そう。きっと幻聴ね。とっとと耳鼻科に行ってきなさい



「えー…」






そこまで言った時だった。









ドンッ!









ブッ!!??



「あ」



「おっと…」






痛いです。ものっそい痛いです。



だってさ、誰かが思いっきりわたしとぶつかったんですよ。



そして、ぶつかった瞬間ストローが口の中に思いっきり突き刺さって



すごく痛いんです。



おまけに反動で苺牛乳を、盛大に吹き出してしまいました。






!大丈夫!?」



「ぬあぁぁぁぁぁ〜…」(泣



「ああ…悪いの。ぶつかってしもうた」






あ゙ん?なんだよ、その謝り方!



こちとら、ストローが口に当たってヒリヒリしてんだぞ!?



ムカついたわたしは、顔を上げて相手を睨んだ。



相手は銀髪のイケメン兄さん。しかし、怒り狂ったわたしは容赦しない。






「あんたね〜!ちゃんと前見て歩いてるんですかぃ!?」



「そっちじゃって、前見とらんかったじゃろ?お互い様じゃ」



ぬわぁんだとぉぉぉぉお!!!



被害者のわたしを加害者の貴様を一緒にするな!!!」



「一応…俺も被害者なんじゃけど…?



「あ゙ん?」



…服だよ、服」



「服…?って、ああああああああ!!!!






友達に言われ、相手の服に目を向けると



白いシャツに、思いっきりピンクの苺牛乳がかかっていました。



そりゃあ、もう、ワンポイントどころじゃなく盛大に…。



冷や汗が流れそうになりながら、相手の方を見ると



なにやら先ほどより不機嫌になっているじゃないですか!



ピーンチ!!!(滝汗






「こ、これってもしかして…」



「もしかしなくても…お前さんが吹き出したやつじゃ」



「ぎゃー!!!す、すんません!マジすんません!」






これって、明らかにわたしの方が悪いじゃん!



制服にピンクのシミがつくくらいなら、ストローが口の中にぶつかった方がマシだよ!!!






「ま、もう済んだ事じゃし…構わんぜよ…」



「そ、そぉっすか!そりゃ、どうも!



じゃ、とりあえず…この辺で……」






そう言って逃げ様としたんですが…









ガシッ









「あ、ちょっと待ちんしゃい」






手首を掴まれ、あっさり捕獲されてしまいました…。(汗






「な、ななな何でしょうか…?」






ま〜さか、弁償しろとか言わないよねぇ〜…。



今月、マジでピンチなんだってばっ!!!






「お前さん、名前なんて言うんじゃ?」



「な、名前でやんすか?」






わぁお!まさか、この立海名物のわたしを知らないとわねぇ…。



こやつ、かなりの無関心君だな?






「わたしは3年の 購買バトルのプロよ



「(購買バトル…?)良い名前じゃの。それじゃ」



「うん、じゃ〜ね〜wって、待てや!ゴラァ!!!






ヒラヒラと手を振って去って行こうとする無関心君を止め



彼の正面へと周りこんだ。






「キミね〜!わたしが名を名乗ったのに、自分は名乗らないっていうのは駄目でしょ!



キミも名ぁ〜乗りぃ〜なさぁ〜い」(外国人風



「…俺の名前、知らんのか?」



「当ったり前じゃん。今会ったばっかだもん。初対面だもん」






そう言うと、相手の銀髪君は手を顎に当てて何やら考え始めた。



もしかして…自分の名前忘れたとか!?(違



ま、んな訳ないか☆(笑



わたしが下らない事を考えていると、銀髪君はやっと顔を上げた。






「…俺は3年の仁王 雅治じゃ。覚えておきんしゃい」



「こ、金剛力士 雅治君!!!???



そ、そりゃあ変わったお名前で「仁王っちゅう、苗字なんじゃけど?」(怒



「え、嘘っ!だって…『金剛力士像』別名『仁王』って、この前美術で習ったのに…!」



「なして、わざわざ変換するんじゃ?そのまま『仁王』で、ええじゃろ?」



「あ、そうだったの?なんか、『金剛力士』に変えた方がカッコ良くない?



全然」(怒



「そうか…残念だな」



何が残念なんじゃ、何が?」(怒



「だって…せっかく面白い苗字してるのにぃ〜



「お前さん…今、本音出たぜよ?










だって、『仁王』だよ?そうそう居ないよねwレアだよ、レア!



その後も、彼の苗字の事で話していると



だんだんどうでも良くなってきたのか



銀髪君は盛大に溜め息をおつきになりました。



なんか、腹立つよね〜www(ぇ






「溜め息つくと、幸せが逃げますぜぃ、お客サン」






何やら、わたしが仁王と話している間に



友達は呆れて帰ってしまったらしく



暇なのでわたしは、メロンパンをかじりながら



仁王の相手をする事にした。






「お前さんと会った時点で、幸せなんか逃げとる気がする



「酷っ!わたし、女神だよ!?幸福をもたらすよ!!!???



「女神様は、俺の苗字なんかで面白がらん。お前さんは悪魔に近いの」



「あ、悪魔!?銀髪仁王君に言われたくないですなぁ〜」



「俺だって、男子と購買でバトルするような奴に言われたくないのぅ…」



勇敢と言って下さい」



馬鹿の方が合っとる」






今までさんざん、悪口を聞き流してきたわたしだが



今回ばかりは頭にきた。






「なんだと、この銀髪金剛力士像!馬鹿の底力なめんなよっ!!!



馬鹿って認めた馬鹿は怖いの〜









ブチッ!(←何かが切れた音









ぬわぁぁぁあ!!!もう、怒った!勝負しろっ!!!」



「は?勝負…?」



Yes!ズバリ、購買バトルで決着つけましょー!



ルールは簡単。明日の4時間目終了のチャイムと同時にスタートし



どちらが早く購買で、人気急上昇中のメロンパンを買えるか。



もちろん、メロンパンを買えなかったらアウトだし



事前に買っておくのも、NG!!!



因みに負けたら、一週間お昼ご飯購買でおごってもらいまーす」






丁度、今金欠だしねwこの際、利用してやろw(悪






「…お前さん、プロなんじゃろ?そんなの俺の方が不利じゃ」



「フッ、そう言うと思ったよ…。ハンデと言ってはなんだが



実はわたしのクラスは3年の中で一番購買から遠い!



加えて、君は男子!体力は断然、君の方が上だ。



これ以上何か意見があるかね?」



「…ええじゃろ。勝負しちゃる」



「よぉし!男に二言はないぞ!!!明日だからね!覚えておいてよ!」



「分かっとる」



「じゃ!」






そう言って、わたしは仁王に手を振り教室へと帰った。



普通の人からしたら、わたしの方が逆に不利のように見えるかもしれないけど…



わたしプロだしね☆



あー…、明日が楽しみ!

































* * *



キーンコーンカーンコーン♪



「それじゃ、授業はここまd「ありがとうございましたー!!!






わたしはチャイムが鳴ると同時に席を立ち



先生の言葉を遮って、購買へと直行。



やはり一番遠い事もあって、結構キツイけど…。



完膚無きまでに叩きのめした方が、気持ちいいもんね!



よし!全力疾走!!!






































「よっしゃ!奴はまだ来てない!」






購買に到着したわたしは、すぐさま戦場へと突入。



男子共を押しのけ、またもやメロンパン(+苺牛乳)をゲット!!!



見事、勝負に勝利したのでした!!!






「ふん。所詮、奴もこの程度だったという訳か…」



「誰の事言っとるんじゃ?」



「そりゃあ勿論、負け犬銀髪金剛力士の仁王 雅治の事を…」



「俺は負けてないぜよ?」



「ふーん…負けてな…ぅいっ!?






聞き覚えのある声の方へ振り返ると



そこにはメロンパン(と、コーヒー)を持った仁王が立っていました。






「な、なななんで、仁王がすでにメロンパンを!?」



「実は俺、4時間目サボったんじゃwつまり4時間目始まる前から、ここに居たんじゃよ」



Noooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!



「一応、ルールは守っとるじゃろwちゃんと、チャイムが鳴ってから買ったんじゃ」



「ちっくしょぉぉぉお!!!その手があったかっ!!!」



「じゃ、勝負は俺の勝ち。昼飯ごっそさーんw」



「うぅ…また、お財布が痩せちゃう…」(泣






その後一週間。約束とおり、わたしは仁王の昼食をおごらされました…。



そして、一週間ごとに仁王と購買バトルをするのが習慣になったとさ。










おわり☆










あとがき


蜜蜂様への捧げ夢かんせーです☆

ギャグということで頑張ったつもりなのですが…

なにやらギャグが少ない気がします…;

ホント、駄文でスミマセン!(土下座

ギャグになっていなかったら、ごめんなさい!

こんな物で宜しければ、お受けとり下さい!

10000hitおめでとうございます!!!