「寒いのぅ……」
一人でそう、呟いた。





苦しいけど、愛しいから





と別れてから、三日が経った。
の事は、入学してからずっと、気になっていた。
それからもう、二年近く………。
三年になる前に、自分の気持ちを伝えたくて、


「付き合うてみん?」


と、告白した。
なんて言い方だろう、と、自分でも思う。
きっと軽薄なヤツに、思われただろう…。
でも、は…、


「いいよ、別に」


…予想もしなかった言葉が返って来た。
でも、すごく嬉しかった。
たいして変化も無かったのに、毎日が楽しく感じた。
形だけでも「付き合って」いれば、それだけで良いと思えた。
なのに二ヶ月が経ち、形だけでは嫌になってきて…。
本気で好きになって欲しいと…、そう、思い始めた。
その直後………


「ねえ、もう、別れようよ?」


からの、辛い言葉。
「嫌だ」と、言えなかった…。
見苦しいことは、したくなかった。
だから………


「ああ……」


この一言で、俺達は別れた。
でも、もう一度やり直したい。
そう思うのは、俺だけ?
















「寒いのぅ……」


もう12月。
寒いのは当たり前だが、つい、呟いてしまう。


「ホントに、寒いぜよ……」


空を見上げ、
当たり前の事を、もう一度呟いたその時、





「冬なんだから、当たり前じゃん」





聞き覚えのある、きれいな声。
ずっと聞きたかった、あの声…。


………」
「冬は寒い、そんなことも分かんないの?」


少し馬鹿にしたように笑って、
は俺のすぐ傍まで歩いてきた。


「確かに寒いけどね…」


そして当然のように話し始める。
理解できなくなって、思ったことが口からでた。


「お前さん、どうして………」
「何か?」


返答に困る返事が返ってきた。
でも、聞きたい事は山ほどある。


「じゃって、俺達、別れt「あー、ストップ!黙れ」


に言葉を遮ぎられ、目が合う。


「苦しむのは、止めたの」


へ?


「認めたんだよ」


何を?


「仁王が好きだって」








「なっ!?」


今、何て………。


「だ〜か〜ら〜、仁王が好きだって言ってんの!!!」
「………本当に……」
「何回も言わせないで欲しいんだケド…////」


その時、俺は無意識にを抱きしめていた。


「俺も好きじゃ…」
「どーも……」
「もう、別れるなんて、言いなさんなよ…」
「当たり前じゃん」


苦しんで、苦しんで、手に入れた幸せ。
抱きしめたの頬が真っ赤だった事は、本人には言わないでおこう。
そんな頑張り屋で、照れ屋な彼女が、





愛しくて、しょうがない


おわり










あとがき


仁王ドリかんせー!(イエーイ)
初の続編です!(まとめても、良かった気が…)
続編って、結構良いですねぇ〜♪(どこが?)
これからも、どんA書こっかなぁ〜。(勝手にしろ)