片思いの9年間…。
今こそ、この思いを伝えるんだ!!!
ピリオド
「あ、あの…丸井君!!!」
「おっ、じゃん。おはよ」
「えっ、あ、おおおはよう!!!」
きょ、今日こそ…この思いを…!
「確か、日直だろ。早く行かねぇとやり直しだぜ」
「う、うん!そ、そそそうだね…!」
今日こそ…!
「じゃ、俺朝練行くから。またな」(にこ
「////う、うん!またね!!!」
そうして、丸井君は去って行ってしまった…。
って…
「また言い損ねたあぁぁぁ!!!」(泣
ああ…あの笑顔にさえ負けていなければ…!
なんで、あのタイミングで笑顔になるかなぁ!もう!!!
「…朝から何やってんの…」
「ああ………」
顔を上げると、呆れた親友の顔があった。
「また告れなかったの…?」
「……はい…」
そう、わたしこと は今、丸井君に恋をしている。
小学校1年生の頃から、ずっと一緒のクラスで…
中学校になっても3年間、一緒のクラス。
そのせいか、仲はまだ良いほうだと思う。
そう、義務教育期間の間ずっと片思い…。(つまり9年間)
3年生になって、何とかしようと
日々、告白しようとしてはいるんだけど…。
「で、今日は何があったの?」
「…丸井君のヨ●様もビックリの笑顔に負けました…」
「………アホか」
いつも何かしらのハプニング(?)で、告白は出来ずじまい…。
この前は、わたしがあげた飴をおいしそうに食べる顔に負けた…。
その前は、せっかく外で会ったのに真剣にケーキを選んでる顔に負けて…。
「ああ、もう!全部、丸井君がカッコ良過ぎるのがいけないの!」
「はいはい…。分かったから、告白する方法を考えたら?」
「うっ…」
確かに…このままじゃ一生、告白できそうにないかも…。
「ねぇ、…。何かいい方法ない?」
「さぁ…?わたしに聞かれても…」
「だって、彼氏いるじゃん!教えろ〜!!!」
「告ってきたのは向こうだし、何よりただの笑顔に負けるアンタは重症だ」
「ち、違うよ!ヨ●様もビックリの笑顔だよ!」
そう言うと、は呆れた顔をして
「そーか、そーか…。それより、早く行かなくていいのかい?日直さん?」
「えっ、あ!やばっ!!!」
やり直しになるのは、流石に嫌なので
わたしは全速力で校舎へと走った。
「はぁ〜…疲れた…」
「お疲れ。やり直しは免れたね」
あの後、わたしはなんとか、やり直しを免れた。
教室に入ったわたしは、丸井君の席へと視線を移す。
丸井君はクラスの男子と、楽しそうに話していた。
…やっぱカッコイイなぁ〜…。
「…、顔真っ赤。見惚れ過ぎ」
「えっ!?嘘っ!////」
顔を見ただけで、こうなってしまうわたしは
やっぱりかなりの重症だと思う…。
「(…もうそろそろ、何とかしないとな…)」
の少し企みの色が映った目に
わたしは気付かなかった…。
そして、放課後。
わたしは教室で一人、日誌を書いていた。
朝に分かったんだけど、どうやらもう一人の日直の男子は
今日は休みらしい…。(おかげでわたしが、一人で日直をするはめに…)
日誌を書いていると、「今日の出来事」という所があった。
出来事…
『丸井君が笑いかけてくれた』
『丸井君が楽しそうに男子と話していた』
無意識の内にそう日誌に書いていて、
書いたばかりなのに、急いで文字を消した。
ああ…本当に重症だ…。
ん…文字……?
「そうだ!手紙なら…!」
どうして今まで気付かなかったんだろう。
手紙なら、すぐに渡せるからハプニングは無い!
そう思い、わたしは日誌を閉じて、便箋を広げた。
えっと…とりあえず名前を…
『丸井君へ
行き成りのお手紙、ごめんなさい。
前々から言おうと思ってたのだけれど、なかなか言えず手紙に書くことにしました。
実はわたし、前から丸井君の事が 』
そこまで書いた時だった。
手紙に書くだけだから、簡単だと思っていたけれど
いざ書こうとなると、緊張して肝心な所が書けない。
ああ…やっぱりわたしには、告白なんて出来ないのかな…。
でも、告白してふられたら、前みたいに話せなくなるのかな…。
この片思いにピリオドを打ちたいけど…、それだけは嫌だ!
それならいっそ、告白なんてしない方が………。
「お、。何してんの?」
「えっ!?」
わたしがそんな事を、うだうだ考えている時だった。
シン、と静まりまえった教室に
少し低めの、わたしの大好きな人の声が響いた。
振り返ると、もちろんそこには、わたしの大好きな人が居た。
そして、手紙を見られないよう、さっと後ろに隠した。
「ん?今何か、後ろに隠した?」
「(ギクッ)えっ、何にも隠してなんかないよ?日誌書いてただけだし…」
「………そっか」
そう言うと丸井君は、自分の席へと近づいた。
「で、丸井君は何の用?」
「ああ、ちょっと宿題のプリント忘れたから取りにきた」
「そ、そうなんだ…」
ああ!会話がたいして、続かない!
こういう時こそ、告白するチャンスなんだけど…手紙書いてるし…。
「…あれ、プリント無いわ…」
「え、無いの…?」
「ああ…どうすっかな…。宿題、明日までだし…」
「こ、困ったね……」
それじゃあ、プリントどこにあるんだろぅ…。
そんな事を考えていると、丸井君がこちらに近づいてきた。
うわっ、どうしよ…。心臓、ヤバイかも…。
「…なぁ……」
「へっ?何!?////」
ちょ、顔近いよ!本当に心臓、破裂する…。////
「やっぱ、何か隠してんじゃん」
「は?えっ、ちょっと!!!」
丸井君に見惚れていると、後ろに隠していた手紙を取られてしまった。
ちょ…コレ、ヤバイんじゃ…。
「ちょっと!返してよ!」
「嫌。えっと〜…ん?俺宛て?」
「ぎゃあぁぁぁぁ!!!////」
み、見られた!書きかけとはいえ、本人に見られた!
どうしよう!?
「なんだ…、コレ書きかけじゃん」
「そ、そそそそうなの!だから、返して!!!」
わたしが手を伸ばして、取り戻そうとすると
丸井君は返してくれないたしく、手紙をわたしから遠ざけた。
「か、返してってば!!!」
「…この手紙の続き、気になるんだけど?」
「つ、続き……?」
確か肝心な所の前で、止まってたはず…
って、それ言ったら告白してんのと一緒じゃん!////
わたしが悩んでいると、丸井君は溜め息をはいた。
「はぁ…あのなぁ、……」
「へっ?な、何?////」
「お前の気持ち…俺に気付かれてないとでも、思ってんのか?」
「えっ!?」
それってつまり…
「ずっと前から、知ってんだぜぃ?お前が俺の事、好きだって」
なっ…!
「はいぃぃぃ!!!???////」
う、嘘っ!?そんなに、分かりやすかった?わたし!?
「ほんと、お前分かりやす過ぎだよな。言葉にしなくても、態度で分かる」
「ふ、普通にしてるよ!////」
「だってお前…俺の前だと、どもるし、顔真っ赤にするし…。
「好きです」って言ってるようなもんだぜぃ?」
「う、ううう嘘だっ!!!////」
「今だって、そうなんだけど?」
「なっ!?」
ああ…恥ずかしい!!!そんなに分かりやすかったんだ…。
丸井君の顔を見ると、意地悪そうに笑っていた。
「んで…こんな紙切れからじゃなくて
お前の口から聞きたいんだけど?」
「も、もう分かってるんだから、いいじゃない!」
「ダメ。ちゃんと言わないと、俺も返事してやんねぇ」
「そ、そんな意地悪しなくても…!」
丸井君の新たな一面を知ってしまった…。
こんなに意地悪だったっけ?
しばらくの間、沈黙が続いた。
告白するチャンスなのに…なぜか言葉が出なかった…。
「ったく……正直、もう嫌なんだよ…。こんな関係は…」
「へっ?」
わたしが言うのを、ためらっていると
急に丸井君がそう言って、
気付いたらわたしは、丸井君の腕の中に居た。
「ちょ…////丸井君!?////」
「くそっ…折角お前から言わせてやろうと、思ってたのによ…」
「は?ちょ…何言って…!」
「しょうがねぇから、俺から言ってやる…」
「だから、何を!?」
わたしが丸井君の顔を見ると、丸井君はいつになく真剣な顔をしていた。
わたしもその真剣な顔に、つい言葉を発しなくなった。
「…好きだ………。前からずっと……」
「!!!////」
そして丸井君はわたしの耳元で、そう呟いた。
行き成り名前で…しかも耳元だなんて…正直、反則だと思う…。
ああ…今、絶対顔真っ赤だ…。心臓、破裂しそう…////
「…わたしも…好きだよ。丸井君…////」
「ったく…やっと言ったか…」
あんなに言えなかった言葉なのに、自然に言えてしまった。
今、すごく幸せだ…。
「好き。大好きだよ、丸井君…」
「だから…、ずっと前から知ってるつうの…////」
その時、丸井君の顔がほんのり赤く見えた。
「あ…もしかして照れてる?」
「っ…!うるせぇぞぃ」
「だって…んっ!?////」
そして、丸井君の唇がわたしの唇に触れた。
それはすぐに離れていったけど、
わたしの心臓は、今までにないほど高鳴った。
「は、反則だ…////」
「なんとでも、言えぃ。…もうそろそろ、帰るか?」
「あ…名前……」
「言っとくけど、も俺の事名前で言えよ?
お前は俺の、彼女なんだからよ」
「…!う、うん!分かったよ、ブン太!!!」
彼女って単語を聞いた瞬間、胸が熱くなった。
ああ…やっとピリオドを打てたんだ…。
今日からは、片思いじゃなくて…
両思いだね!!!
おまけ
「ねぇ!聞いてよ、!」
「やっと、丸井と両思いになれた?」
「へっ?どうして、それを…!?」
「あたしが、頼んだの。丸井の方から、告ってくれないかって」
「じゃ、じゃあ…全部、が…?」
「あんたら、見てるとじれったいのよ。丸井もあんたの反応、楽しんでるみたいだったし」
「うぅ…、ありがとう!!大好き!!!」
「…どうして、その言葉をもっと早く丸井に言わないかなぁ……」
「あ…」
おわり
あとがき
6666hitを踏まれた、璃玖さんに捧げます!
ぎゃあぁぁぁ!!!何気にギャグ入ってしまいました!すみません!!!
でも、一応傾向は甘という事で…。(オイ
こんな駄文で、すみません!!!璃玖さんのみ、お持ち帰りOKです!