暑い暑い夏の午後。
わたしの心臓は破裂しそうでした…
トリップライフ 第12話〜きっかけは鼻血〜
「あっつー!」
こっちに来て、初めての休日。
わたしはこの辺の事を少しでも覚えようと
暑い中、地図を持ってさ迷っていた。
「あー…やっぱ家帰ろっかな。クーラーが恋しいよ」
マンションから出て、まだ10分程度。
だけどセミはうるさいし、太陽はサンサンだし、日焼け止め無いからつけてないし…
「だっー!!!黙れ、セミ!無くなれ、太陽!!!」
「あーん?うるせぇぞ、お前」
ホワイ?なんか、すっげー聞き覚えのある声が聞こえたんですが…。
暑さでやられたのかな…、わたし。
そう思いながらも、声のする方を向いてみると…
「ったく…ただでさえ暑いってのに…うるせぇ奴も居たもんだ」
「………あとべぇぇぇぇえぇぇえ!!!???」
「!!!」(ビクッ
そこにはなんと!あの跡部様がいらっしゃいました!
声もアニメで聞いた通りの声で…。どおりで聞いた事ある声だと思ったよ、うん。
感動して跡部様をじっと見てみると、跡部様はかなり不審な目でわたしを見てました。
「…オイ、暑さにやられてるのか?」
「んな訳ないじゃんwあーっ!漫画で見るより、ずっとカッコイイー!!!////」
「は?漫画?」
「あーもう!そこはスルーしろよ!毎回、説明が面倒なのよっ!」
「知るか」
「うわっ!やっぱカッコイイけど、腹立つ!!!」
「なんだ、コイツ…」
「跡部―、どないしたん?」
跡部様と遭遇して感動していると
曲がり角から関西弁の美形兄さんが出てきました。
こ、こいつはもしかして…!
「あ、あの…もしかして、忍足 侑士さん?」
「ああ、そうやけど…。お嬢ちゃん、誰や?」
ギャ―――――――――!////マジでおっしーだ!伊達眼鏡のおっしーだ!!!
や、やばっ…!鼻血出そう…。(ぇ
「って、オイ!お前、鼻血出てるぞ!」
「え、嘘っ!本当に出てんの!?」
「ちょい待ちぃや!ティッシュ買ってきたるわ!!!」
「ギャ―!早く、早く!道路に血がついちゃう!!!」
「ば、バカ!上向いてろっ!!!」
「ち、違うよ!左向くんだよ!!!」
「左向いて、どうすんだよ!早く、上向きやがれっ!!!」
「ギャ―!!!ちょっ…!痛い痛い痛い!!!」
これが、わたしと跡部&忍足の出会いだった…。
* * *
「いやー…。いろいろとご迷惑がげまじた」
「普通に喋れるだろーが…。ったく…こんなの初めてだぜ」
「そうそうあるモンやないで。いきなりあった女の子が鼻血出して助け求めるなんてな」
「ああ。多分、最初で最後の出来事だな」
「貴重な体験になったようで…。感謝して下さい」
「「嫌だ」」
あの後、やっと鼻血の処置が出来たわたし達は
近くのベンチに腰を下ろしていた。
どうやら、二人とも疲れたらしい。
美形っていうのも、罪だねぇ〜。
「ところで…二人はどうして神奈川にいるの?」
「あー…それはな。休日やし、ちょっと立海の練習でも見学行こう思てたんやけど…」
「お前のせいで、その気も失せた。東京に戻って少し休む」
「あー…そりゃ、すみませんでしたね」
よくは分からないけど…どうやら迷惑をかけてしまったらしい。
やっぱ立海って氷帝にも注目されてんだなー…。
「それじゃ…俺様達は帰るぜ」
「えー、もう帰るの?」
「これ以上、お嬢ちゃんと関わったら明日練習出来へん気ぃすんねん」
「うわ、酷っ!疫病神みたいにいわないで下さい」
「ほんなら、鼻血神」
「新しい神様作ってんじゃねぇよ。ってか、なんですか鼻血神って。
鼻血でも司ってんのかよ」
「まぁ、そんなモンや。ええやん。一応、神様やで?」
「じゃあ、お前を鼻血神に任命してやる」
「俺、鼻血出してへんもん」
「今、ここで出させてあげましょうか?」(黒
「…いや、遠慮しとくわ」
「オイ!ごちゃごちゃ言ってねぇで、とっとと行くぞ!」
「そうやな。じゃあな、お嬢ちゃん。結構面白かったで」
「そう?じゃあ、いつでも相手したあげるよ!」
「いや、それは勘弁」
「もう、二度と会わない事を祈ってるぜ」
「ほなな、鼻血神様」
「うるせぇ!とっとと帰れぇぇぇぇぇえ!!!!!」(怒
こうして、跡部と忍足は帰って行った。
なんだかんだ言っても…やっぱ嬉しかったなw
今度はこっちから行ってみよw
あ、また鼻血出始めた。(ぇ
「…なぁ、跡部」
「あーん。何だよ?」
「あの嬢ちゃん…なんで俺らの名前知っとたんやろな」
「…ま、俺様は有名だからな」
「…そやな。当たり前か」
こうして、騒がしかった一日は終わった。
しかし…
「マンションどこ―――――――!!??」(泣
帰り道が分からなくなって、近所の人に助けてもらった人が約一名いたらしい…。
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あとがき
久々更新です!今回は跡部&忍足に相手をしてもらいました!
因みに蒼澄は近所で迷子になった事があります。(ぇ