「皆、明日から一週間、合宿に行くよ」
「「「「「は?」」」」」
トリップライフ 第14話〜鬼降臨〜
何言ってるの、この人?みたいな雰囲気の中
ただただ、爽やかな笑みを浮かべている幸村ぶちょー。
何ですか?この状況。登校したと思ったら、いきなり部室に呼び出されるし・・・。
そんな笑みをされても、どうリアクション取れば良いのか分かりませんよ。
「ゆ、幸村・・・兎に角、もう少し詳しく話してくれないか?」
「ん。ああ、そうだね」
とりあえず声を発したのは真田のおっさん。
彼も多少混乱はしているようだが、今の雰囲気に最も適切であろう一言を言ってくれたので
わたしの中での彼の年齢を42歳から36歳に減らしてあげた。(微妙
そして幸村ぶちょーは相変わらずの笑顔で詳しく話してくれました。
「明日から一週間、全国大会も近いという事で
青学と氷帝と一緒に合宿を行う事になった。勿論、君達に拒否権はないから」
「え」
えぇぇぇぇえええェぇえエ!!!???
ちょ・・・!MA・ZI・DE!?
「本当ですか、部長!?」
「本当だよ。こんな嘘ついたって俺には何の得も無いだろ?」
「いよっしゃあぁぁぁぁあ!!!!!」
嘘じゃない、嘘じゃない!立海+青学&氷帝とも交流出来るんだぁぁぁあ!!!
「随分、張り切ってるねさん」
「勿論!ってか、わたしも行って良いんだよ・・・ね?」
『これで「駄目」とか言ったら、一生ゆっきー怨むから』
そう目で訴えながらゆっきーを凝視する。
するとゆっきーはフッと笑って
「勿論だよ。じゃあ、マネージャーはさんに来て貰おうか。
怨まれるのは嫌だしね」
「あ、ありがと!ゆっきー大好き!!!」
わたしの思いが届いたのか、ゆっきーはあっさりOKしてくれました☆
さー!青学と氷帝もコンプリート(?)すっぞい!!!
「本気か、精市。のあの目は少し危ないぞ」
「面白そうだから良いんじゃないのかな。それに彼女一人残した方が危ないだろ?
俺達しか知り合いが居ない訳だし」
「・・・それもそうだな」
ゆっきーと柳がそんな会話をしている中、わたしはテンションが上がりっぱなしだった。
しかし、わたしが行く事に抵抗を持っている人も、やっぱ居る訳でぇ・・・。
「幸村!なんでこんな目の危ない奴連れていくんだよ!」
出やがったな、赤毛・・・!
「なんですってぇ〜?わたしが行っちゃ都合が悪いの?」
「当たり前だろぃ!」
「ほー・・・」
わたしとブン太が火花を散らしていると、幸村部長が溜め息をおつきになりました。
そしてわたし達に向かって、衝撃の一言。
「全く・・・。二人共、合宿でも同じように喧嘩するようだったら
近くの湖に仲良く沈めるよ?」
「「・・・・・・・・・」」
・・・わたしの気のせいでしょうか。
そう幸村様が言った瞬間、周りの温度が3℃くらい下がった気がしました。
わたしとブン太は10秒間のフリーズの後、お互い顔を見合わせてニッと笑いました。
「やっだなぁ〜、ゆっきーwわたし達、めちゃくちゃ仲良しこよしだよwww」(激笑顔
「そうだぜ、幸村wいくら、こいつが馬鹿でアホで過度の変態だからって・・・
喧嘩なんてするわけないだろぃwww」(激笑顔
「(ピクッ)そ、そうだよーwいくらデブン太が赤毛でありえないくらいの食いしん坊で
チビで自分の事「天才」とか言ってる超自画自賛男だったとしても・・・喧嘩なんてしないよーwww」
「(ムカッ)だ、だよなぁ?このドアホ女」(ボソッ
「(コノヤロウ・・・!)も、勿論wくたばれクソ赤毛」(ボソッ
「お前がくたばれ縄文人」
「縄文人に殺されちまえ、赤血球野郎」
「アウストラロピテクス」
「ヘモグロビン」
「ふ、二人共いい加減にしないと、本当に沈められるっスよ!」(汗
「「「(馬鹿だ、こいつら・・・)」」」
何時の間にか元の口喧嘩に戻ってしまっているわたし達を見て
赤也は冷や汗を流しながら、必死に止めようと試みてくれた。
そして他の立海メンバーは、そう心の中で思った。
そして問題のゆっきー様はにっこりと微笑む。
「はは、何本気にしてるの?冗談に決まってるだろ?」(にこっ
「「「「「(鬼だ・・・)」」」」」(滝汗
珍しく立海全員の気持ちがシンクロした瞬間でした。
「し、しかし幸村・・・。全国が近いというのに、敵と馴れ合うのはどうも俺は・・・」
「何言ってるの、真田?多少、自分のプレーを見られたからって勝てないようじゃあ・・・
立海のテニス部レギュラー・・・もとい、成人として失格だよ?」
「・・・・・・・・・そ、そう・・・だな・・・」
「成人」そう言われて、少し反論したそうな真田だけど
ゆっきーがあまりにも爽やかな笑顔で言うのでスルーせざるを得なくなった。
それを見て、わたしを含めレギュラーの皆はきっと哀れだなと思った事でしょう。
真田副部長の悲しい定めを、改めて実感しました・・・。
「さぁ、皆。今日の練習は早めに切り上げるから、今日はとっとと寝て
明日ちゃんと時間を守って集合する事」
「は、はーい・・・」
「ん?何、さん?」
「も、もし遅れたらどうなるんですか・・・?」
そう。今回の合宿において一番の心配はこれ。
実はわたし、起きるのすごい苦手なんだよね。赤也と同じw(←
「んー。そうだな・・・。とりあえずは置いておくよ。
で、合宿から帰った後に一ヶ月部室掃除・放課後練習を通常の3倍。
加えて、平部員に降格。そして最後に黒魔術の刑。なんてどうかな?」(にっこり
「く、黒魔術ぅぅう!!??」(汗
やっぱり使えるのか、そう思いながらも
わたしは近い内にこの若さにしてあの世に逝くかも知れないという不安が頭を過った。
「(殺される!?否、もしくはカエルにされる!?はたまた、石とか木とかの自然?
どれにしても、人間じゃいられないよね、確実に。ってか、そもそもゆっきーは
どうやって黒魔術を?もしかしたら、魔女・・・?)」
「魔女じゃないよ。俺、男だし」
「ヒィィイア゙ァ゙ァ゙ア゙!!!!お願いだから、心読まないでぇぇぇぇえ!!!」(泣
ゆっきーの魔女疑惑(?)は解明されませんでしたが・・・
とりあえず、遅刻をしたら無事では済まないという事が分かりました。
そして、わたし以外に同じ不安を抱える人が居たり・・・
「(やっべぇ!俺、やっべぇ!!!今度こそ、確実に幸村部長に消されるッ!!!!!)」(滝汗
さてさて、わたしと赤也の運命はどーなるのでしょう!?
次回からは合宿編!!!
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あとがき
久々更新です;やっぱ駄文度が日々上がってる・・・orz
次からは蒼澄自信も待ち望んでいた合宿編です!